【身分差に苦しみながらも惹かれ合う、幼い頃から想いを重ね続けた秘密の恋】
《属性》無表情で冷めた雰囲気の裏に一途な想いを隠す元孤児攻め×周囲から慕われる術部の跡取り息子受け
《設定・世界観等》魔術が普及する世界の術部という研究機関を舞台に、元孤児×跡取り息子の身分差に苦しむ2人のドラマティックラブ。
| 初心者さん おすすめ度 | えっち度 | 読みやすさ度 (絵柄の癖) |
|---|---|---|
| ★★★★★ (5/5) | ★★★☆☆ (3/5) | ★★★★★ (5/5) |
| ドラマティックなファンタジー設定なのですが、丁寧な描写や美しい絵柄で世界観にぐっと引き込まれます。 ストーリー重視な方にも全力で推したい、設定も登場人物も絵柄も、全てが尊い作品でした。 | お互いを大切に思う気持ちがあることは前提として、最初は身分差故に甘やかす行為のみ。 愛情が滲んだスキンシップや目線の描写に切なさを感じます。 最後の両想い初えっちはここまでの我慢が一気に爆発する甘々えっち♡ | まるで空気ごと描いたような、柔らかく美しい絵柄で、絵を見るだけで先生の作品だと分かります。 今作は特に、世界観との調和が高いので没入しやすく、読後の満足感も素晴らしい。 |
身分差故に周りから何度も引き離される2人ですが、人目を盗み逢瀬を重ね、互いを想う気持ちを長年確かめ合いながら成長していく純愛ものです。
受けは跡取りである自分の立場をよく理解していて、だからこそ攻めの前でだけは思い切り甘え無防備になれる、というところがいじらしくて脆くて。
周りの期待に応え続けることで攻めのことを守ろうとしているけれど、それと同時にこの距離感がいつまで続くのか分からず苦しむ姿には、切なさでぐっときてしまいます。
一方攻めは、外では淡々とした冷たい雰囲気を纏い、周囲には不愛想な印象を抱かれていますが、受けの前でだけは柔らかな笑みを浮かべ、受けを優しく甘やかし大切に思っていることが表情からも伝わります。
「自分たちの抱く想いや関係が知られれば一緒には居られない」と十分に理解している2人だからこそ踏み出せず、それでも一緒に過ごす時間を手放すことができない葛藤を作品全体を通して描かれていて、これぞ身分差ラブの醍醐味といった作品でした。
作品によっては「身分差なんて関係ねぇ!!!」なんてぶっ飛ばすキャラが話をぐいぐい進めていくものなどもありますが、こちらは葛藤やままならない感情が丁寧に描かれていて、切なさも愛おしさもたっぷり味わうことができます。
また、野白ぐり先生らしい柔らかく美しい絵柄と、幻想的なファンタジーの世界観との相性が良く、ストーリーや設定にスッと没入しやすいので、2人の想い合う気持ちの部分にフォーカスした作品を読みたい方なら大満足間違いなしです!
個人的には、攻めの目が悪くなったエピソードと、受けの「ミカドの目の代わりに、何か欲しいものはある?」という言葉が大好きでした。
お互いがお互いに自分のすべてを差し出せて、でももう何もいらないと思うほど相手の存在が自分にとっての全てで、という2人の愛の大きさが描かれたエピソードだと思います。
ここから、過去の回想シーンと今の葛藤との対比が描かれ、大人になった今はもう同じ選択はできないと悟る受けが切ない。
その後、小さなすれ違いを経て、おそらくいつ溢れてもおかしくなかった想いがひょんなアクシデントから零れ周知の事実となります。
でも、今までだったら耐えられていたであろうことが、ふとした拍子にぷつんと切れてしまう、という恋心のままならさがリアルで、自分たちの気持ちに正直に戦う2人の想いの強さがとても素敵でした。
その後の初えっちシーンは、長年の想い全てを確かめ合うような優しくゆったりとしたもので、攻めと受けらしい可愛らしいえっちで幸福感たっぷりです♡
夜明けのシーンが2人の秘密の恋の終わりを表現しているようで、これからは我慢せず思い切り互いを愛してもいいんだなという喜びがこちらにまで伝わってくるようでした。
全部が周囲に明らかになったが故の表情の緩みが可愛くて、特に今まで周囲から不愛想な印象を持たれていた攻めが今後どうなるのか、公認カップルとなってからの2人と周囲とのエピソードも読みたかったです。
こちらは、幻想的なファンタジーBL×身分差の切ない恋愛ストーリー、を読みたい日におすすめしたい、1冊ですっきりまとまった純愛作品です♪



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